最近オーディオブックという単語を目にする機会が増えてきました。
新しいものはとりあえず試してみたい性分なので、Amazonが運営しているオーディオブックサービス『Audible(オーディブル)』を無料体験してみました。
結論から言うと、
とりあえず経験として試してみる価値はある。ただ継続利用するかは人を選ぶと感じました。
ちなみに私は1ヶ月の無料お試し期間の利用のみで、その後は解約しています。
目次
オーディオブックとは
最初に軽くオーディオブックについておさらいしておきましょう。
オーディオブックとは、ナレーターが書籍を朗読した音声を収録した音声コンテンツのことを言います。
日本では1980年代からカセットテープに収録されたものが販売されていたり、CDブックとしても販売されてきました。
近年ではスマートフォンで音楽を聴くことが一般的になったことから、ダウンロードコンテンツとしてオーディオブックを提供するサービスが増えてきています。
現在、国内サービスではAudibleとaudiobook.jpの2強状態になってます。
Audibleとは
Audible(オーディブル)とは、Amazonが提供しているオーディオブックサービスです。
利用料は月額1500円(税込)
Audibleの利用料金は月額1500円(税込)とシンプルです。
競合のaudiobook.jpでは月額330円〜33,000円の8段階になっていて、月額費に応じてオーディオブック購入に使えるポイントが付与される形式です。
聴き放題ではなくコイン制
Audibleは2020年1月現在では聴き放題サービスを提供しておらず、コイン制という方式をとっています。

コイン制ってなんじゃ
コイン制。聞き慣れない制度ですよね。
複雑な制度ではなく比較的シンプルです。ポイントは以下の通り。
・1コインを好きなオーディオブック1冊と交換する
・コインを使わずに買う場合、月額会員は30%OFF
・コインで交換した商品は返品が可能
オーディオブック(Audible)のメリット
歩きながら聴ける
当たり前ですけど、歩きながら聴けます。歩きながらの読書は大惨事になりかねませんからね。
徒歩通学・通勤の長い方などは、歩いている間に読書時間を確保できるメリットがあると感じました。
運転しながら聴ける
歩きながらに似ている話ですが、運転中に聴けるのはオーディオブックの大きいメリットだと感じました。
車通勤の方などは運転中に本を読むことができないので、自己啓発や勉強時間を確保しにくい問題があります。
オーディオブックを活用することで、運転中にも本の内容を頭に入れることができるようになります。
ナレーターが豪華
Audibleの特徴として、朗読しているナレーターさんが豪華です。
俳優では城田優さん、古谷一行さん、高橋克典さん、杏さんなど。声優では大塚明夫さん、釘宮理恵さんなど、数多くの著名人が朗読を担当しています。
自分の好きな俳優や声優の朗読を聴けるのは嬉しいですよね。
私は大塚明夫さんの声がたまらなく好きなので、走れメロスを聴いてみました。

有名な俳優や声優がナレーターになってます
記憶への定着率が高い
普通に本を読むのと比べ、オーディオブックは繰り返し聴く事で記憶に定着しやすくなると言われています。
小説などはプロのナレーターや声優・俳優の方が音声を吹き込んでいますので、セリフにも迫力があって物語にスッと入り込める感覚がありました。
買った品物は返品できる
これはAudibleに限った話ですが、コインと交換したオーディオブックは返品が可能です。
Audible公式サイトには次のように書かれています。
Audible会員の皆様は、会員特典の1つとしてタイトルを購入後365日以内にご返品いただけます。
本の貸し出しやオンデマンド(読み放題)制度ではないため、例えば、タイトルを聴いてみたらイメージと違っていた、ナレーターの声になじまなかった場合に返品いただき、改めてお客様に合った作品をご購入いただくことを目的としています。
返品が特典というのもおかしな話ですが、不具合がなくても返品ができるというのは確かに特典と表現しても良さそうに思います。
常識の範囲内であれば返品は許容されると考えて良さそうです。
ただ当然ですが、やりすぎは禁物です。
短期間における過度の返品など本特典の主旨から外れた利用はご遠慮ください。
会員の皆様には本特典の目的の主旨から外れて利用されているおそれがある場合は、Audibleからお問い合わせをさせていただく場合や、一定期間本特典のご利用の制限をさせていただく場合がございます。
なんとも言えない微妙な特典ですが、
『聴き放題にすると採算が取れないが、月1冊じゃ満足度が確保できない』
と考えた末の苦渋の選択なのでしょう。
オーディオブック(Audible)のデメリット
ななめ読みができない
本だと自然にできる『ななめ読み』
意識しなくてもやっている人は結構多いんじゃないでしょうか。
ビジネス本などでは既に知っている内容だったり、興味の無い章はななめ読みすることが多いですが、オーディオブックの場合はそうは行きません。
再生速度を上げるか、早送りして先に進めばスキップすることは可能なのですが、『重要そうなところで止める』ができないのは結構困ります。

読み進める速度が常に一定
時間あたりの情報量が少ない
オーディオブックは、普通に本を読む場合と比べて単位時間あたりに得られる情報量が圧倒的に少ないです。
文字の場合は読んでいる箇所とその周辺も目に入りますが、音声はピンポイントの情報しか入ってきません。
その分繰り返し聴くことで記憶の定着は図れるのですが、色々な本をたくさん読みたいタイプの人には向かない性質でしょう。
例えば、内田康夫さんの『後鳥羽伝説殺人事件』は300ページほどの小説で、Audibleの再生時間は9時間34分です。一方で書籍版をKindleで見ると、平均的な読了時間が4時間30分となっており、倍以上の時間がかかることがわかります。
ビジネス本の場合は必要なところだけ読む事も多いですから、実態としてこの差はさらに広がると考えられます。
これについては、堀江貴文さんもオーディオブックが発展しない理由としてTwitter上で指摘しています。
だって音声って単位時間当たりの情報量が極端に少ないんだもん。自動運転、ARディスプレイシステムが当たり前になると少なくとも能動的情報吸収媒体としては最弱。音楽なんかはながら視聴でシェアはとれると思うけど、結局視覚障害者の為のニッチな市場しかとれないと思う。 https://t.co/qfWPWYaj5Y
— 堀江貴文(Takafumi Horie) (@takapon_jp) March 19, 2018

情報量が少なくて時間がかかる
聞き逃した時が面倒
本の場合は内容が入ってこなかった時などは読み返すのも自由ですが、オーディオブックだと面倒です。
何かに気を取られた時に聞き逃してしまう事が何度かあったのですが、巻き戻しボタンで戻る必要があり、かつ『どこまで聞いたっけ・・・』となるのがストレスに感じました。
オーディオブックというと、『ながら視聴』ができると思いがちですが、実際使ってみると意外に集中して聴く必要があることに気付きました。

聞き逃しちゃうと戻るのが面倒
オーディオブックに向いている人
これまでのメリット・デメリットをふまえてみると、時間をかけて記憶に定着させたい本がある人には、オーディオブックは良い武器になるのではないかと思います。
ただ、繰り返し聞いてまで記憶に定着させたい本というのはそう多くはなさそうですが・・・
また、運転が多いなど普通に本を読む時間が確保できない人にも有用と言えるでしょう。
このタイプの方であれば、小説などの物語でもオーディオブックで視聴する意義があると思います。
オーディオブックに向かない人
先にも書きましたが、色々な本を読みたい多読派の人には全くおすすめできません。
1冊にかかる時間が非常に長いことや、Audibleには読み放題が無いこと(audiobook.jpには読み放題がありますが品揃えが微妙)が主な理由です。
私もこのタイプなので結局Audibleは解約してしまいました。
多読派の方には、むしろ月額980円で読み放題のKindle Unlimitedのほうが向いていると思います。
Kindle Unlimitedについては別の記事に感想をまとめていますので、興味があれば読んでみてください。
さいごに
オーディオブックは人を選ぶサービスであることをお伝えしました。
まだ世に出て間もないサービスなので、今後改善されていくとは思います。
ただ、好きな俳優/声優の朗読が聴けるだけでもオイシイので、気になった方は無料体験を試してみると良いかもしれません。